漫画・アニメではなく、アート・絵画の魅力とは何か?受動と能動。
絵画はお好きですか?
と聞かれたら、なんと答えるでしょうか?
正直、美術、絵画好き人はそんなにいないと思うのです。
クラスにいたしても1人、2人程度だと思います。
しかし、アニメ、漫画好きはその何倍、何十倍もいるでしょう。
なぜなのでしょうか?
まず、理由としても思いつくのは、アニメや漫画は分かりやすいです。
ちゃんとした物語が明確で、起承転結があり、アニメなら声があり、動きがあるのです。人の感情に訴えやすい為、没頭しやすいのです。
そして、子供でも真似して描けるキャラクターの親和性ではないでしょうか。
幼少期から慣れ浸しむ、これはでかいです。
一方、美術作品の絵画は単なる一枚絵です。
絵画の中にいくら情報を描き込んだとしても、漫画やアニメに比べると、
圧倒的に情報量が少なく、観る側の知識や洞察力、感受性が必要になってくるのです。
学術的な説明はありますが、物語の前後は描かれていません。
それに、子供にとっても、やけにリアルだったり、やけに抽象的だったりすると、
模写する気はなかなか起きません。
そう考えると、絵画より、アニメ・漫画の方が魅力的!
と思うのは当然のように思えます。
だけど、僕は絵画が好きなんです(アニメや漫画も好きですが)。
・どうしてか絵画が好きか?
まず人間が見えるからです。
漫画、アニメはファンタジーの世界ですが、
絵画の場合だと、同じ空想を描いたとしても、現実の地続きがあるように感じるのです。
イキった言い方をすれば、生命、血の臭いを感じるのです。
絵画には、長い歴史、時代背景があり、
作品には作者の人間性が筆致に現れ、色彩に感情が現れ、細部に執着が現れるのです。
そこが面白いのです。
また、どんな想像力でこの作品を描いたのだろうか?と考えると面白いのです。
漫画・アニメと美術館などに展示されるアート・絵画の違いを、
雑にまとめてしまえば、 アニメ・漫画は能動作品で、アート・絵画は受動作品です。
アニメや漫画は、懇切丁寧に見ている側(受動)に作品の魅力などを教えてくれますが、絵画は観ている側が能動になって、魅力を感じていく、という楽しみ方の構造の違いもあると思うのです。
・現代アートに関して
現代アートでは、何でもアートと名付ければいいんか!
と思う作品もありますが、
実際に見たら、なかなか面白いのです。実際、好きな作品は沢山あります。
以前までの価値観、常識を覆したり、破いたりして、
新しい物を生み出すために色々試行錯誤するアートの姿勢には刺激を貰えます。
アートは人類の挑戦なのです。
そのメンタリティは、違う分野でもとても大切な姿勢だと思います。
まぁ、漫画やアニメもアートなのですがね。
(その線引きは、日本でおける、純文学とエンタメ小説の違いのようなものだと思いますが)